島田徹シェフのパティシエ・シマってどんなお店?パリの修業先はMOF>ピエールエルメ>三ッ星レストラン!
今日は、テレビなどでも話題になる東京麹町の名店「パティシエ・シマ」の島田徹シェフをご紹介します。
島田徹シェフの経歴
1976年東京都パティシエの父、島田進さんのもとに生まれます。大学で経営情報学を学びました。
2000年 東京、広尾「A.ルコント*」に入社
ルコントでは4年半、菓子作りの基本を徹底的に学びます。のちのインタビューでも、この時期に作られた基礎が、自分のお菓子のベースになっていると語っています。
*アンドレ・ルコント(André Lecomte)さんはフランス出身のパティシエ、日本に初めてのフランス菓子専門店を作った人。お父さんの進さんもフランスから帰国した後にここでスーシェフとして活躍していました。徹シェフが入社した前年にルコントさんは逝去されていたけれど、伝統あるこのお店で基礎を学んでいます。
2004年渡仏 パリ13区「ローラン・デュシエーヌ」に勤務。
ローラン・デュシェーヌには一年勤めました。
ローラン・デュシェーヌさんはパリ13区にあるMOF(フランス最優秀職人)のパティシエ。毎年サロンデュショコラの時期には来日されています。奥さまが京子さん、日本人なのでお店には日本人を話せるスタッフも多く、ワーキングホリデーの日本人受け入れ先としても人気があります。
2005年 フランス最高のパティシエ「ピエール・エルメ」の元へ
パティスリー界のピカソと呼ばれる「ピエール・エルメ」に入社。入社後さまざまなポストを経験し部門責任者としてアトリエ・ボナパルト・スーシェフ(店舗の副料理長)を任されました。副支店長、のような感じですね。
ここでの3年半パティスリーの奥深さ、芸術性、価値を学び、そしてピエール・エルメの才能やカリスマ性に大きく影響を受け、パティシエとしての感性が研ぎ澄まされたと徹シェフは話しています。
その間、チョコレートで有名なValrhona社の「エコール・ヴァローナ」「アトリエ・ステファン・クライン」など数々の一流機関で研修を受け幅広い技術・知識を習得しました。
2008年フランスを代表する5つ星ホテル「ル・ブリストル」に入社
超一流ホテル「ル・ブリストル」に入社。このホテルは現在、5つ星を超える格付けのパラスホテルとして登録されている名ホテル。このホテルには「エピキュール」という三ッ星レストランも入っています。
このホテルでは、バンケット・レストランデセールの仕事から型にとらわれない自由な発想と洗練された装飾方法を学んでいます。
2009年帰国「パティシエ・シマ」エグゼクティブ・シェフ就任
お父さんの進さんが1998年にオープンした「パティシエ・シマ」に戻り、エグゼクティブシェフに就任します。エグゼクティブ、とついているのは各店舗ごとのシェフの一つ上のシェフ、という意味でしょう。普通の会社でいうと、A支店長・B支店長・その上の統括責任者という感じです。
名だたる名店で修業して帰国した御曹司という立場は非常に大変だったことでしょう。Cottaのインタビューでも語っています。
島田徹シェフの主な著作・レシピ集
タルトの発想と組み立て:6人のシェフが紹介する36のタルトレシピ。島田徹シェフだけでなく、オーボンビュータンの河田シェフも執筆しています。
創業者島田進シェフの経歴
1946年三重県出身、画家を目指して神戸で絵の勉強に励んでいましたが師匠の勧めで上京します。このとき絵を描いた経験はのちのパティシエとしての造形・色遣いに生きてきたことでしょう。
1968年日本で最初のフランス菓子専門店「A.ルコント」と出会う。
六本木にオープンしたばかりの「A・ルコント」のアンドレ・ルコントシェフに出会い、3年勤務。
1972~75年渡仏し、「ダロワイヨ」などの名店で修業
「ダロワイヨ」「ブッダ」「ベッケル」などで経験を積み約3年間滞在。
ダロワイヨは日本にも入っているのでご存知の方も多いでしょう。17世紀にルイ14世に食膳係として仕えていた歴史も持つフランスの伝統ある食品会社です。
ベッケル菓子店はすでに閉店済みですが、「ブールミッシュ/BOUL'MICH」の店主吉田菊次郎さんも修行していた名店です。
1975年帰国後「「マキシム・ド・パリ」銀座店のシェフパティシエに
当時の日本のフランス料理の最高峰ともいえるあの「マキシム」のシェフパティシエに。
1978年「A.ルコント」の総製菓長に就任
フランス菓子と出会ったきっかけ、「A.ルコント」に総製菓長として迎えらえ日本にアンドレ・ルコント氏の片腕として活躍。
1988年独立し市ヶ谷に「シェ・シーマ」をオープン
のちに「シェ・シーマ」は別のシェフに引き継ぎますが、独立しての一店舗目は市ヶ谷のシェ・シーマ。こちらは、5人のシェフが30年にわたって支え、2018年9月に閉店しています。
1998年に麹町に「パティシエ・シマ」をオープン。
クレームアンジュ、クレームブリュレ、石畳(生チョコ)など数々のフランス菓子を世に送り出します。クレームアンジュは進シェフがフランス時代のまかないで食べていたフロマージュ・ブランというチーズを普及させたくて考えたレシピだとか。
2004年「ラトリエ・ド・シマ」をオープン。
2005年フランス政府より農事功労章シュバリエを受勲
お菓子を通じてフランスの豊かな食材・食文化を日本中の人に届けたいという島田進シェフの日々の活動が高く評価され、2005年フランス政府より農事功労章シュバリエを受勲。
島田進シェフの主な著作・レシピ集
パリジャン、パリジェンヌが日常的に食べ親しんでいる3時のおやつ、ルノートル、フォション、ダロワイヨに代表されるパリのグラン・メゾンに並ぶような高級菓子等、究極の味と形を求める旬のパティシェの定番レシピ。
中央公論社から出ている「シェフ」シリーズ。シーマ時代のレシピの数々。
パティシエ・シマの看板メニューは
こちらのお店は焼き菓子から生のケーキ、さらにはイートインで食べられる皿盛りのデザートまで、いろいろ作っています。
フランスのパティスリーもクロワッサンからマドレーヌ、マカロンがあって、ショーケースにホールケーキと小分けしたケーキがあるパターンが多いので、こちらも同様、フランス仕様ですね。さて、シマさんで人気のケーキはこちら。
タルトフレーズ(ホールケーキ)
まるごとケーキ(アントルメ)で一番人気なのは苺のタルト。ただ、こちらは季節限定です。他の季節だと、また別のケーキが並んでます。
クレームダンジュ
看板メニューの一つ。天使のクリーム、クレームダンジュ。なんとこちらは楽天でも買えます。素晴らしすぎる!
ガレット・デ・ロワ
ガレット・デ・ロワはフランスのお正月時期に食べるケーキです。こちらの島田さんはミスター・ガレット・デ・ロワと呼ばれるほどの腕前。写真のガレット・デ・ロワの柄は干支の龍だそうです。日本人が細かいの得意とは言え、この精密さは驚き。
クリスマスケーキ
クリスマスケーキは毎年変わるようです。10月くらいになると、各百貨店さんがカタログを発表し始めるので、それまでのお楽しみ。
フルーツケーキ
しっとりして、しっかりとした生地にラム酒付のフルーツ。超ぜいたくな、古き良きフルーツケーキの最高峰がこちらです。
レモンケーキ(ウィークエンドケーキ)
レモン、そしてバターの風味と表面にコーティングされた砂糖の組み合わせが貯まらないウィークエンドケーキ。この名前も素敵ですよね。食べるとわかります、なぜこの名前か。週末の午後に日の当たるテーブルで食べたい味。
キュービックセック
グリュイエールチーズとゴマのしょっぱいサブレとココナッツとザラメの甘いサブレ。シャンパーニュの時間から、食後の紅茶の時間までいつでも欲しくなる味です。
チョコレート「Pave de Tokyo / 東京の石畳 」
島田進シェフが世に広めた石畳チョコ。驚くほどの口溶けの良さです。
こちらも楽天での取り扱いあり。
島シェフが教える秘伝のレシピ
なんと、島シェフは看板メニューのクレームアンジュとケークオショコラのレシピを公開しています。
パティシエ・シマのクレームダンジュのレシピ
こちらのレシピは90分かけてつくる本格派。イタリアンメレンゲなども作るので、温度計や電動ミキサーなど、機材もいろいろ必要ですね。
パティシエ・シマのケークオショコラのレシピ
こちらはオールインワンのレシピ。フードプロセッサーに入れて混ぜて焼くタイプなので、クレームダンジュと比べると少し簡単かも…料理時間は60分。
パティシエ・シマ(麹町)
〒102-0083 東京都千代田区 麹町3丁目12−4麹町KYビル1階
03-3239-1031
月~土曜日 10時00分~19時00分(土曜は17時閉店)日曜定休
ラトリエ・ド・シマ
〒102-0083 東京都千代田区麹町3丁目12−3
03-3239-1530
月~土曜日 月曜日 11時00分~19時00分(土曜は17時閉店)日曜定休